「……えっ?」


驚いているのは、あたしだけじゃなかった。

あたしが聞き返すと、花坂さんは大きな目をぱちくりさせる。


「は…?何って…あの公園ですよ?ヤンキーの集まる…通称・タイマン公園…。雪村さんも、よく遊びにいってたじゃないですか」


……さらに分からなくなる。


全然…ワカラナイ。


「如月君ともそこで出会ったんでしょ?」

「え…?違……」



違う…


そう言おうとしたけれど、あたしは進める足を止めた。

辿りついたある場所。


ここって…


花坂さんと2人で並んで、目的もないただの散歩。


なのに、あたしは立ち止まった。


「…この、公園…」


色々な遊具が並んでいるただのどこにでもある平凡な公園…。


だけど、この公園はどこか違う。


昼間は、小さな子供達が笑顔で走り回る幸せな場所…。

でも深夜には、いろんな不良の中学生、高校生のタイマンをはる場所で有名。


天国が…、戦場化する公園…。


「雪村さん…、ここ来た事ありますよね?」


………。

あたしはただ一点を見つめ、静かに頷いた。


だって…、ここは…。


あたしの逃げ場所だったから…。