涙を見せまいと、あたしは必死に堪える。


「やっぱり…!!何でですか!?」


……なんでなんだろう。

それは、あたしでも分からない。


蓮を解放してあげる為…?

そうか。

全て、蓮の為に選んだ選択だったんだ。


「蓮の為だよ」

気力のない声でただ呟いた。


花坂さんは、「はあ!?」と大きく叫んだ。


「どこが如月君のためなんですか!?別れて…、2人は救われたんですか!?」


…ううん。

救われてなんか…いない。


でも

「蓮が救われたからいいんです」


「救われてないですよ…。彼…、泣いてました」

アスファルトを見つめ、静かに花坂さんは言った。


「え、嘘だ」


蓮が…泣くだなんて…。


あたしと別れたぐらいで…

そんなの、ありえない。


「もお…嘘だと思いたいですよ。だけど…、"あの公園"で毎日…一人で孤独に泣いてますよ」

………。

……花坂さんの言葉に何かが引っかかる。

"あの公園"って…?


「ねえ…花坂さん…。"あの公園"って…何?」