花坂…エリ…て。
例のストーカー事件の真犯人…?
何、あたし…またストーカーされんの?
またレイプされそうになるの…?
嫌だよ。ソレ。
「うん、サヨナラ」
あたしは笑顔でそれだけ言うと、彼女を通り過ぎようとした…
が。
「ちょー…ッ!!待って。待って!!」
彼女があたしの腕を素早く掴む。
痛い程に。
何で細いくせにこんな強い力がどこに隠れてるんだろう。
「な…何なんだよ?あたし、今からすっごい用事があるの!」
あたしも彼女に抵抗して、腕を振りほどこうとした。
「そんなくだらない用事よりすごい重大な話なんですぅ!!」
…な…ッ!?
人の告白を"くだらない"って言ったなあ!?
何も知らないくせに、よくもそんな事を!
「如月君と、別れたって本当ですか!?」
彼女の一言が、胸に痛く突き刺さった。
けれど、それは真実。
あたしは抵抗する力さえも失った。
「別れたよ…」