* *


"全部、そいつに会いたかったからだ"


蓮の頭の中で、何度もリピートされる。


やっぱり、こいつ…

雪の事が、"好き"なんだ。


だから、何度も何度も、引き裂こうとしていたのか。


何となく分かってた。


深波が自分に送る視線は、全て…意味ありげだった。


何かを企んでいるような…。


「お前、やっぱり…ッ」


雪が好きだったのか……。


そう、言おうとした時……。


ガラ…ッ


教室のドアが開く。


蓮は視線をそのまま、ドアの方へと向ける。


「…か…ずき?」


そこに立っていたのは、紛れもなく一樹で。


一樹は、蓮、優、深波、南を目を大きく見開いたまま、動かなかった。


無理もない。


4人とも争ったせいで、怪我が生じているのだから。