「如月だって結局、あんたの事を信じきっていたみいちゃんを裏切ったじゃないか。」


蓮の拳が震え始める。


「この前、葵とホテル行ったくせに」


ズキ…ッ

また胸が突き刺さったように痛い。


……葵。


この人は一体、何者なんだろうか。


「…ッ、違う…ッ!!」


「何が違う?腕まで組んでたくせに」


余裕がない蓮を見下ろして、深波は勝ち誇った笑みを浮かべた。


「だから、それは…ッ!」


「過去に言い訳するつもりか?」


叫ぶ蓮の声を遮って、深波のふわふわして落ち着いた口調が教室に響く。


優も、ゆっくりと起き上がる。


「だいたいみいちゃんと別れたのもあんたの過去が原因なんだろ?」


「うるさい!!!」


深波の声を遮り、高くハスキーボイスの声が教室に響く。


この声は…。


あたしだ。