* *
"あたしと…別れて下さい"
その言葉を聴いた自分の胸が大きく波を打った。
……言葉の理解ができない…。
「な…んで?」
やっと振り絞って出た言葉。
蓮は、自分の制服のシャツの裾を強く握り締める。
「あたし…蓮を幸せにできない」
……幸せ?
南の言葉に蓮は鋭く反応を示す。
俺は…
俺は……。
お前が傍にいてくれる事が何より幸せなのに……。
「な…ッんだよ。それ……。俺の事が嫌いって言うなら分かるけど…」
冷静を保ち続けるが、そろそろ限界を迎えようとしていた。
蓮の心に不安が募る。
「蓮の事は……ッ」
南はそういいかけたとき、目をゆっくりと閉じる。
そして、閉じた瞳の奥から輝く一筋の涙が伝う。
そして南はゆっくりと目を開けて、蓮を見る。
「もう…嫌い」