深波の指の先にある光景。
それは、蓮が知らない女の人と会話している姿。
……まさか。
「アノ女…、イケメンの童貞狩りで有名なヤツだな…」
深波が静かにそう伝えた。
童貞…狩り…!?
あまりの衝撃に言葉が出ない。
「俺もアイツに童貞奪われた」
……意味が、分からない。
何で、そんな人と知り合いなの…?
「きっと如月もアイツとが初体験だよ」
深波のふわふわした声が、痛く突き刺さった。
……え?
確かに、蓮はもう童貞ではない…
そう聞いた。
蓮だって生きているのだから、こういう過去があっても仕方のないこと。
ただ、話をするだけなら構わない。
でも今…、女の人は蓮の腕に自分の腕を絡ませて歩いている。
今は、あたしが彼女でしょ…?