「…わかった」


複雑な気持ちを抱いたまま、あたしは通話終了ボタンを押す。


「チッ。また、セックス目当てか」


深波はあたしが携帯をしまったのを確認すると、そう言い放った。



「んなわけないでしょ。蓮はそんな人じゃない」

「ふーん、どーだか」


あたしの言葉を完全無視して、勝手なコトばっか言ってくる。



そんなの、知らないよ。


「もう、うるさいッ!!黙ってよ!!」


本気でコイツが、憎い。


「お前もよくあんな犯罪者みたいな奴と付き合えるよな。」


犯罪者…だあ…


それは、

「アンタだろ!?」

「しっ!!静かにして」


深波が人差し指をあたしの唇に当てる。


気持ち悪かったけど、あたしは何もいえない。


「…何よ」


「アレ見て」


深波がある一点を人差し指で示す。