「どうしたら…いいんだろう…。過去に戻って、やり直したい…。」
優は頭を抱え込んで、考え始める。
「でも過去には戻れない。償いは未来でしかできない」
震えている唇を押さえるようにして蓮は、強く噛みしめる。
「でも俺が犯した罪は、償いをしても消えない。」
蓮は、ひとつため息をついた。
「もう…俺等、帰るわ。ごめんな。変なのに巻き込んで…」
蓮は鞄を持つと、玄関へと向かう。
優はそれを追う。
「ううん…。あたしも、サボりたかったし」
蓮と優を玄関で見送る。
「何だ、それ」
蓮は笑って、あたしの頭を軽く叩いた。
「じゃあ…」
「うん、ばいばい」
あたしは蓮と優が見えなくなるまでずっと…手を振っていた。