「何で、雪…、そんなこと言うわけ?」

蓮は、あたしを睨む。


……言えない。


優は、また俯いている。


「お前に男の気持ちなんてわかるのかよ?」


蓮は低い声でゆっくりと言った。


あたしは震える唇を、噛みしめて顔を上げる。

蓮の一言が胸に突き刺さった。


……だったら、


「だったら蓮と優には女の気持ちなんて分かるの?」


利用された女の気持ち…分かるの?

きっと…千明は優の過去を知ったら、またあのことを思い出すに違いない…。


「男は…優と蓮はセフレだって思ってても…、女は本気だったかもしれないじゃん…?そういう女の人達の気持ち…分かる?」


あたしがそう言うと、蓮は目を大きく見開いた。

優も、きっと同じ顔をしている。


「千明は昔…、彼氏だと思っていた男に遊びだ、セフレだったって言われたんだよ?蓮と優もそういうことあったんじゃないの?」


あたしの言葉に、蓮は唇を強く噛みしめた。

……きっと、あったんだ。


「あたしは…、そういう男の人の気持ち…わかんない」