そして、最後の花火。
今までで一番大きくて、綺麗な花火。
豪快な音を出して、あっという間に消えさった。
空はあっという間に暗くなる。
まだ、花火の煙が微かに漂っている。
「なあ、雪」
「ん?」
蓮があたしを呼んだ。
あたしは蓮の方向を振り向くが、もう蓮の姿は暗すぎて見えづらかった。
だから傍に行こうと思って、近付く。
が
「来るな、馬鹿!」
………!?
この人は人を何回、馬鹿と言えば気が済むのだろうか…。
あたしの怒りもそろそろ…限界に…。
「雪に、お願いがある」
姿は見えず、祭りの賑やかな音と共に、蓮の声が耳に入ってくる。
「何よ」
お願いって、何か?
どうせ、コイツのことだからパシリなんだろうけど。
絶対、嫌って言ってやる…。