「ちょっと!!何、未読メール消してんだよ!!」


「未読じゃない。もう俺が読んだ」


蓮は、腕を組みながらウンウンと頷いた。


「そういう問題じゃないでしょ!!何て、書いてあったの?」

「あー…」


蓮は思い出すかのように、天井を見つめしばらく考え込む。


いやいや…。


あなたに謝罪しようという気持ちはないのですかね?


「【こんな人がたくさんいるところで、騒いじゃあだめじゃん】て書いてあった」


蓮は俯きながら、そう言った。


「何だ、またストーカーのメールか」



あたしは、ハアとため息をついた。


こんな頼りない彼氏…。


本当に、彼氏にして良かったのかな?


教室で蓮が吐いた言葉を、頭の中で繰り返す。




"別に。あんなの好きで付き合ってるわけじゃねえよ"



スキじゃないなら、何であたしと付き合うの?


思わせぶりな行動ばかり取らないでよ…。




一目惚れ…したのが悪かったのかな?