夏祭り当日

* *

「れーん!遊びに来たよお!!」

バンッという豪快な音と共に、何かが蓮に抱きついてきた。



早朝で、蓮はまだ目すら覚めてもいないのだから、頭が理解しようとしない。


そんな頭を必死に回転させながら、考える。


………雪?


いや…、そんなはずない。

だって今、俺は自分の部屋にいるのだから。


事実を認めようとしない蓮。


そんな蓮に、南は本気でキレる。


「お前は、いつまで寝ぼけてるんだあ!?いい加減起きろ!!」


南は蓮の頬を思いきり、ビンタする。


乾いた音が部屋中に大きく響く。


「痛い…。」


蓮の弱々しい声が、虚しく響いた。