「相当、惚れてんね」
次は、蓮が顔を真っ赤に染めて、俯く。
「うるさいな。そんなんじゃねえ」
「素直じゃない奴。ずっと冷たくしてたら、飽きられて捨てられちゃうよ?」
優は、冗談半分で言う。
しかし蓮はその言葉に何かが、引っかかる。
「雪ちゃん、黙ってたら相当モテるんだよ?スタイルだっていいし、顔だってすっごい美人じゃんか…。まあ、千明ちゃんには負けるけど」
「……わかってるよ。俺だって、今までアイツに惚れてる先輩とかに色々言われてきてんだ。」
先輩に色々言われてきた…。
これは、本当。
蓮は、中学生まで売られた喧嘩は買う主義だった。
しかし、高校を機に誰かを守るコト以外は暴力を一切振らないと心に決めたから暴力は振らなかった。
中学で経験した辛い過去。
それらが今の蓮を支えていた。
そして、蓮が闇の世界から足を洗った理由…。