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「男の家に泊まるとかマジありえねえんだけど…」


蓮は、優の家に泊まることになってしまい、頭を抱えていた。


「だったら雪ちゃんのところに泊まればよかっただろ?全く本当は泊まりたかったくせにー…。素直じゃない奴」


優は蓮に向かって鼻で笑う。

蓮はそんな優に怒りを覚える。


「違う。……アイツと2人でいると、感情が高ぶって自分が自分じゃなくなる…。」


蓮はひとつため息をついて、頭を激しく掻く。


「はあ…。なるほど…。襲ってしまいそうで、怖いんだ?」



優の言葉に蓮は、戸惑いながらもゆっくり頷いた。


「…アイツを…、汚すわけにはいかねえだろ」


何とも言えない悩みに、蓮は頭を抱えていた。


「ああ…。雪ちゃん、チェリーガールだもんなあ」



優は細い目をして、窓の向こう側の景色を見ていた。



「お前がアイツを語るな!馬鹿!」

蓮は優に近くにあった枕を投げつけた。


見事、優の顔にヒットした。