* *
「ん、あーー!!」
一番嫌いなテストも無事……に終わり、あたしは窓に向かって大声を出した。
「はしたない……」
隣を見ると、涙を拭うフリをしている千明が見えた。
はしたない……って言われましても…。
「これが、アタシなんです。」
あたしは開き直って、千明に笑顔を見せた。
「キモ」
千明はあたしから視線を外して、帰る準備を始めた。
あたしも慌てて、準備を始める。
今日の朝、あたしは千明に深波に襲われそうになったこととかを全て話した。
千明はそういう人の気持ちを理解できない人は嫌いなので、すぐ冷めたらしい。
優、やったよ!
あたし!!
絶対、何か奢ってもらう!!
「じゃあ、雪。ばいばい。あたしバイトだから」
「あー、おっけー。じゃあね」
あたしは千明の姿が見えなくなるまでずっと手を振り続けた。