「ストーカーだあ?」
放課後のファーストフード店で、賑やかな雰囲気の中に1つ場違いな言葉が混じった。
蓮は、ストローを口にくわえて音を出す。
……お前は、子供か。
慌てて出そうになった言葉を、勢いよく飲み込んだ。
「そう。何か、変なメールや電話が来て…さあ…。」
あたしは、鞄から携帯を取り出し、蓮に渡した。
実はここ1週間程前から、変なメールや電話が絶えない。
「何何?メールの内容は…と。
"キミの彼氏かっこいいよね?"
は?そんなの当たり前だし。」
「いやいや…。そこで突っ込まないでよ」
またいつものナルシスト発言に、あたしはひとつため息をついた。
そんなあたしに気づいたのか、蓮は再び携帯をチェックする。
一つ一つ手慣れたように、ボタンを触っていく。
その指先までもが、素敵だなあと思った。
しかし、蓮は今まで動いていた指を止める。
そして、一言。
「……き、き、きききも!!」