アキが以前言ってた言葉がよみがえる。

『俺、たまに夜、無性に一人でいるのが辛くなる時があるんだよね。一人でいたら死にたくなるくらいに。』

寂しいアキ。

寂しいから誰かを愛すの?

その誰かにお母さんの面影を探すの?

「頭のいいハルさんなら、どういうことかくらいわかるわよね。そう、アキは母親を随分幼い頃に亡くしているから。だから、私は女性として、アキに愛されたことがないの。」

「母親として愛されると、女性として愛されることの大きな違いは・・・?」

夏紀さんは小さくため息をついた。

「私達は幾度となく夜を一緒に過ごしたけれど、未だに男女の関係にはないってこと。」

・・・。