「私はアキを本気で愛しています。」

夏紀さんは静かに言ったけれど、強い意志をもった言葉だった。

「私の方がアキよりもずっと年上で、夫も子どももいるけれど、それでも愛してしまった。けれど、もう終わりにしようと思っています。」

私はようやく顔を上げた。

「え?どうして?」

思わず聞き返す。

アキは?

アキの気持ちはどうなるの?

「アキはいつも私に母親を求めていた。私を女性としてではなく、母親として見ているの。」