色んなことを考えていたら、少し頭が痛くなってきた。

こめかみを押さえて、軽くため息をつく。

「ハル?大丈夫?なんだか顔が白いけど。」

「あ、うん。大丈夫。ちょっと疲れちゃったかも。今日は早めに寝るね。」

私はそう言うと、そのまま寝室へ向った。

リビングから、直太の深いため息が聞こえた。

直太の不安な気持ち、すごくわかる。

きっと私が直太の立場だったら、同じように思うはず。

ベッドの上にどかっと寝ころぶ。

天井って、こんな色だったっけ?

普段気にもとめずに生活してると、見逃してる事って結構あるのかもしれない。


アキ・・・。

アキに抱きしめられた感触がまだ消えない。

どうしてあんなことしたの?

きっと今日私にしたようなことって、色んな女性にしてきてるんだろうね。

そして、皆の心を狂わせるの?

もし本当にそれが真実ならショックだった。

アキって、なんだかにくめない。

どんなに傷つけられても、あなたを見ていたいって気持ちがわき上がってくる。

私、何考えてんだろ。

これじゃ、直太が忠告していた通りの事態に踏み込んでるみたいじゃない。

ゆっくりと深呼吸して、目をつむった。