「アキ!またぁ。そんなこと言わずにせっかくなんだから一緒に写真撮ろうよ。」

そう呼びかけたのは直太だった。

アキは、直太に視線を向けた。

直太には口元をゆるめて、少しだけ笑ったように見えた。

「しょうがねぇな。直太兄の頼みなら。」

アキは、よっこいしょと言いながら大げさに立ち上がった。

座ってたらわからなかったけど、ものすごく背が高かった。

すらっとしたその姿は、とても美しかった。

格好いい人って、こういう人をいうのかもしれないわね。

アキは、直太のすぐ横に並ぶと、

「かわいいお嫁さんみっけたな。」

といたずらっぽく笑った。

またアキと目があって、思わず顔が熱くなる。

「あ、真っ赤になってる。かわいいねぇ。」

アキはニヤッとして、直太の脇腹をこずいた。

「おいおい、あんまりからかうなよ。」

直太は、少し真面目な顔でアキに言った。