その時、みいちゃんの目の前に七色の虹の橋がゆっくりと現れ始めた。
月の光に照らされて、虹の橋はキラキラまぶしく光ってる。
その虹はみいちゃんの窓から、お母さんのいる月に橋を架けた。
みいちゃんは、そっと虹に触れてみる。
虹はふわふわと柔らかかった。
みいちゃんはお母さんの方を見た。
お母さんは、まだ寂しそうな顔で笑っている。
「行ってもいい?」
みいちゃんは、お母さんの返事を待たずに、その虹の橋の上に登った。
ふわふわと虹は揺れる。
みいちゃんは楽しくなって、わざと虹を揺らしながら、ゆっくりと月の方へ歩いて行った。
虹の下は、みいちゃんの住んでいる町が広がっていた。
どの家も皆、静かに眠っているようだった。
月の光が明るく屋根たちを照らしている。
「みんな寝てるから静かに歩こうっと。」
みいちゃんは、そう言うと、そうっと、そうっと、虹の上を歩いた。
もうすぐ、お母さんのそばに行ける。
月にふれそうに近づいた時、みいちゃんはゆっくりと月に向かって手を伸ばした。
その途端、月の周りにたくさんのシャボン玉があわぶくのように広がった。
そして、月とお母さんがシャボン玉の向こうに隠れて見えなくなってしまった。
「お母さん!」
みいちゃんは慌てて虹にしがみついて叫んだ。
シャボン玉はどんどん増えて、みいちゃんの周りを取り囲んだ。
「何も見えないよう・・・。」
みいちゃんは泣いた。
「こわいよう。寂しいよう。」
みいちゃんは、必死に虹にしがみついた。
すると、シャボン玉は一斉に「プシャン!」と音を立てて割れた。
シャボン玉が消えた世界は真っ白だった。
みいちゃんは、その真っ白な世界の中でふわり浮かんでいる。
「ここはどこ?」
みいちゃんは泣きながら、あたりを見回した。
「みいちゃん。」
お母さんの柔らかい声がした。
「お母さん!どこなの?」
見回しても、真っ白な世界が広がるだけだった。
「みいちゃん、お母さんはいつもあなたと一緒よ。」
「うそよ。お母さん見えないもの。お母さんのそばに行きたいの!」
「みいちゃんには、今いつもそばにいて守ってくれる大切な人がいるでしょう?」
「いや!お母さんがいいの!」
「みいちゃん、あなたならきっと大丈夫。お母さんは見えなくても、みいちゃんのこといつも見守っているわ。」
真っ白な世界が少しずつ色を取り戻していく。
気がつくと、みいちゃんは、さっきの窓辺に座り込んでいた。
「みい。どうした?怖い夢でも見たか?」
後ろでお父さんの声がした。
深い藍色の夜空に、うっすらと虹が光っている。
「おや、こんな夜に虹か?」
お父さんは驚いて窓の外を見た。
虹は少しずつ消えていく。
みいちゃんは、「消えないで」とつぶやいた。
でも、虹はゆっくりと消えてしまった。
そして、暗く深い空にまた月が現れた。
暖かく、優しい光でみいちゃんとお父さんを照らしている。
お父さんはみいちゃんの肩を抱き、一緒に月を見上げた。
お父さんの腕はとても大きくて温かった。
「一人で寝れないんだったら、一緒に寝よう。」
お父さんはにっこり笑った。
「うん。一緒に寝る。」
みいちゃんはお父さんにそう言うと、ベッドにもぐりこんだ。
お父さんは、みいちゃんの横に並んで布団に入った。
そして、優しくみいちゃんの髪をなでてくれた。
みいちゃんの大好きな大きな手で。
「お母さんいなくて、寂しいか?」
みいちゃんは、はっきりとした声でこたえた。
「大丈夫。だって、お父さんがいてくれるんだもん。」
お父さんは、みいちゃんをぎゅっと抱きしめた。
みいちゃんは、お父さんのぬくもりを感じながら、気持ちよくなってうとうとし始めた。
今日は、いい夢が見れるかなぁ。
おやすみ、お父さん。
それから、月に行ってしまったお母さん。
みいちゃんはゆっくり目を閉じた。
月の光は、お父さんとみいちゃんを優しく照らしていた。
いつまでも。
いつまでも。
月の光に照らされて、虹の橋はキラキラまぶしく光ってる。
その虹はみいちゃんの窓から、お母さんのいる月に橋を架けた。
みいちゃんは、そっと虹に触れてみる。
虹はふわふわと柔らかかった。
みいちゃんはお母さんの方を見た。
お母さんは、まだ寂しそうな顔で笑っている。
「行ってもいい?」
みいちゃんは、お母さんの返事を待たずに、その虹の橋の上に登った。
ふわふわと虹は揺れる。
みいちゃんは楽しくなって、わざと虹を揺らしながら、ゆっくりと月の方へ歩いて行った。
虹の下は、みいちゃんの住んでいる町が広がっていた。
どの家も皆、静かに眠っているようだった。
月の光が明るく屋根たちを照らしている。
「みんな寝てるから静かに歩こうっと。」
みいちゃんは、そう言うと、そうっと、そうっと、虹の上を歩いた。
もうすぐ、お母さんのそばに行ける。
月にふれそうに近づいた時、みいちゃんはゆっくりと月に向かって手を伸ばした。
その途端、月の周りにたくさんのシャボン玉があわぶくのように広がった。
そして、月とお母さんがシャボン玉の向こうに隠れて見えなくなってしまった。
「お母さん!」
みいちゃんは慌てて虹にしがみついて叫んだ。
シャボン玉はどんどん増えて、みいちゃんの周りを取り囲んだ。
「何も見えないよう・・・。」
みいちゃんは泣いた。
「こわいよう。寂しいよう。」
みいちゃんは、必死に虹にしがみついた。
すると、シャボン玉は一斉に「プシャン!」と音を立てて割れた。
シャボン玉が消えた世界は真っ白だった。
みいちゃんは、その真っ白な世界の中でふわり浮かんでいる。
「ここはどこ?」
みいちゃんは泣きながら、あたりを見回した。
「みいちゃん。」
お母さんの柔らかい声がした。
「お母さん!どこなの?」
見回しても、真っ白な世界が広がるだけだった。
「みいちゃん、お母さんはいつもあなたと一緒よ。」
「うそよ。お母さん見えないもの。お母さんのそばに行きたいの!」
「みいちゃんには、今いつもそばにいて守ってくれる大切な人がいるでしょう?」
「いや!お母さんがいいの!」
「みいちゃん、あなたならきっと大丈夫。お母さんは見えなくても、みいちゃんのこといつも見守っているわ。」
真っ白な世界が少しずつ色を取り戻していく。
気がつくと、みいちゃんは、さっきの窓辺に座り込んでいた。
「みい。どうした?怖い夢でも見たか?」
後ろでお父さんの声がした。
深い藍色の夜空に、うっすらと虹が光っている。
「おや、こんな夜に虹か?」
お父さんは驚いて窓の外を見た。
虹は少しずつ消えていく。
みいちゃんは、「消えないで」とつぶやいた。
でも、虹はゆっくりと消えてしまった。
そして、暗く深い空にまた月が現れた。
暖かく、優しい光でみいちゃんとお父さんを照らしている。
お父さんはみいちゃんの肩を抱き、一緒に月を見上げた。
お父さんの腕はとても大きくて温かった。
「一人で寝れないんだったら、一緒に寝よう。」
お父さんはにっこり笑った。
「うん。一緒に寝る。」
みいちゃんはお父さんにそう言うと、ベッドにもぐりこんだ。
お父さんは、みいちゃんの横に並んで布団に入った。
そして、優しくみいちゃんの髪をなでてくれた。
みいちゃんの大好きな大きな手で。
「お母さんいなくて、寂しいか?」
みいちゃんは、はっきりとした声でこたえた。
「大丈夫。だって、お父さんがいてくれるんだもん。」
お父さんは、みいちゃんをぎゅっと抱きしめた。
みいちゃんは、お父さんのぬくもりを感じながら、気持ちよくなってうとうとし始めた。
今日は、いい夢が見れるかなぁ。
おやすみ、お父さん。
それから、月に行ってしまったお母さん。
みいちゃんはゆっくり目を閉じた。
月の光は、お父さんとみいちゃんを優しく照らしていた。
いつまでも。
いつまでも。