家で見るなんて待ちきれない。

「今、ちょこっと見てもいいですか?」

荻原さんは明るく笑った。

「いいわよぅ。どうぞどうぞ。」

目次を見て、私の作品が載ってるページを確認する。

パラパラとページをめくっていく。

ああ。

アキ。

アキの絵を見るだけで、こんなにもときめいている。

まるでそこにアキが立っているかのように。


表紙にきた瞬間。

全身に鳥肌が立った。

アキの絵。

すごい。

こんなに淡い色ばかり使ってるのに、その体温はかなり熱い。

アキの思いが絵からあふれ出していた。

この時のアキを知ってるだけに、その思いが私の胸の奥に響いてきた。

思わず、瞼の裏が熱くなった。

「あら?ハルちゃん泣いてるの?」

ハッとして慌てて、涙をぬぐう。

荻原さんは優しく微笑んだ。

「いいでしょ?アキの絵も。」