翌日。

荻原さんを訪ねて、出版社に向った。

正直、荻原さんとの食事は今の私にはありがたい気分転換。

久しぶりに少しおめかししたり。


「ハルちゃん、いらっしゃい!今日は急なお誘いだったのにありがとね。」

「いいえ、こちらこそ。素敵なお誘いありがとうございます。」

荻原さんは、私の肩をきゅっと掴んだ。

「あら?ハルちゃん?」

「え?」

「ちょっと痩せたんじゃない?」

「あ・・・。そうかもしれませんね。ここんとこ体調いまいちだったから。」

「そうなの?今日は大丈夫だったかしら?」

「体調はようやく落ち着いてきたから大丈夫です。そんなことより、今日はどちらのお店ですか?楽しみだなぁ。」

すばやく話題を切り替えて、わざとらしいくらいに明るく言った。

やだ。

私無理してる?

そう。さっきから、少し胸がムカムカしてるんだ。

お腹空いてるからかな?

荻原さんが連れてってくれるお店って何料理かしら?

実は、今はこってり系の方が食べたかったりするんだ。