携帯電話をテーブルの上に置き、しばらく呆然とソファーにもたれていた。

私の気持ち。

アキに伝えるべきなのか、それとも胸にしまっておくべきなのか。

アキは、パリに夢を追って向おうとしている。

私への思いを断ち切るために。


私は、アキが好き。

一人の男性として。

でも、私には直太も、そしてお腹には赤ちゃんもいて。


アキは行ってしまう。

遠い遠いところへ。

もう会えないかもしれない。

会ってはいけないって、アキが決めたこと。


その決断は、

悲しいけど・・・間違っていないんだ。


その時、下腹がキュッと痛んだ。

こないだと同じだ。

ソファーにゆっくりと横になる。

ごめんね。

私の赤ちゃん。