翌日。

直太が帰ってくるまでに、アキと会うことと妊娠したことをどういう風に話すか考えていた。

久しぶりに頭を使ったからか胃の辺りがキリキリと痛んだ。

やっぱり、アキのことを先に話すべきよね。

そして、とっておきの話っていうことで妊娠したことを告げる。

そしたら、アキの話が直太の中でかすみそうだし。

そんなことを考えながら、お腹の赤ちゃんがちょっぴりかわいそうになった。

本当なら、あなたのことを一番に考えなきゃいけないのにね。

こんな母親でごめんね。


「ただいま。」

直太は昨晩遅かったことを申し訳なく思ったのか、いつもより早く帰ってきた。

そんなに早く帰ってこないくてもいいのに。

時計を見たらまだ18時半少し過ぎたところだった。

「ハル、体調はどう?」

「うん、調子はいいよ。」

「そっか。」

直太はネクタイをゆるめた。

テーブルの上に、夜ご飯の準備をする。

こうして向かい合って夜ご飯一緒に食べるのなんて、いつ以来だろう。

最近、夜はすれ違うことが多かったから。

なんだかドキドキしてきた。