重たい足をひきずって産婦人科へ向った。

待合室。

結構混んでいる。

皆それぞれどんな気持ちでここで待ってるんだろう。

きっと待望の赤ちゃんと出会うために幸せな気持ちでいっぱいの人達がほとんどなんだろうな。

なんだか顔が上げられない。

看護士さんに名前を呼ばれた。

ゆっくりと立ち上がり、診察室へ入る。

先生は、私の検査結果をながめていた。

そして、私の方を見るなり、満面の笑みで言った。

「おめでとうございます。妊娠されていますね。」

その後の内診で、妊娠2ヶ月ということも判明した。

二ヶ月・・・。

もうそんなに長い間、私のお腹にいたんだね。

私が、アキのことを思い詰めるようになるその直前くらいから。

帰り道。

どうしていいかわからなくて、胸が苦しくなった。

この話。

直太に普通の顔して報告できるのかしら?

本来だったら、喜んで報告しなきゃならないのに。

気づくと、アキの携帯番号を押していた。