アキ。

やっぱり、私には無理。

このまま、もう会わないだなんて。

直太には本当に申し訳ないけど、でも、もう一度でいいから会いたい。

そして、自分の気持ちを伝えたい。

涙で冷たくなっていく枕を頬で感じながら、薬が効いているのか、知らない間に寝てしまっていた。


朝、起きると、既に直太は家を出た後だった。

時計を見ると8時半。

え?

もう8時半??

時計を見て、慌ててベッドから体を起す。

急に起きたからか、胃の辺りがムカムカする。

気持ち悪い。

よたよたと洗面所に向い、冷たい水で顔を洗った。

ふぅ。

ちょっと落ち着いたみたい。

そのままリビングへ向う。

トーストをオーブンに入れて、コーヒーを入れる。

最近の朝はいつもこれ。

あんまり食べる気しない。

トーストも、バター塗っただけ。

キッチンで目についたリンゴ。

あ、おいしそうかも。

ちょっと面倒くさいと思いながらもリンゴの皮をむき始めた。