優花はきっと幸せになる。

私は常々そう思ってきた。

だって、こんなにもそばにいる人に温かい気持ちを持っている人なんだもの。

だから、きっとアキ・・・なんかより?!ずっと素敵な男性が優花を待ってるんだわ。

しばらく、そんな話をしながら二人で笑いあって、そして電話を置いた。

私が取り急ぎやらなければならないこと。

とりあえず、一つ目は落ち着いた。


「ただいまぁ。」

直太が帰ってきた。

時計を見ると、まだ19時。

いつもより随分早いご帰宅。

直太は、背広をソファーの背にかけて、ネクタイをゆるめた。

「どうだ?調子は?」

ソファーに置かれた背広をハンガーにかけながら答える。

「うん、大丈夫だわ。晩御飯も作っちゃった。」

「え?そうなのか?無理しなくていいのに。」

「どうせ、シチューだから切って煮こむだけの簡単料理よ。それくらい全然平気だわ。」

直太は尚も心配そうな表情で私を見つめた。

心配なのは、私の体調だけなの?

直太はそんな表情のまま静かに言った。

「お前、昨日アキんち行ったんだって?」