ツーツーと耳の奧で響く音。

涙が出そう。

携帯を持つ手がわずかに震えた。

「ど、どうした?アキからか?」

直太が目を見開いて開いた。

優花は不安そうに私の次の言葉を待っている。

「うん。」

「何て?」

「今日、急な用事が入ったから来れなくなったって・・・。優花、ごめんね。」

優花は明らかに疲れた表情になった。

そうだよね。

こんなにはりきって、楽しみにしてやってきたのに。

優花・・・本当に、本当にごめんなさい。

「そうなんだぁ・・・。用事かぁ、残念だな。」

優花はあえて明るく振る舞ってるけど、親友の私には優花の心がすごく傷ついていると感じていた。

全部私のせい。

優花・・・。

あなたのために何一つ動いてあげれてないんだ。

嫌になっちゃうよね・・・。


いつだって、そうだ。

私はいつも誰かに助けられているのに、誰かのために動こうとすると全部うまくいかない。

きっと色んなことに思い切って前に進めないからだ。

もっと自分の気持ちをきちんと相手に伝えて、表現してないから、いつも中途半端に終わってしまう。

こんな私なんて、いなければいいんだ・・・

そうしたら、皆もっと幸せだろうし、うまくいくはずなのに。


突然、胸が苦しくなった。

うまく息ができない。

誰か助けて。

私はその場に倒れた。

アキ・・・。