「え?本当に?嬉しい!」

弾む優花の声が、携帯の向こうに響いていた。

「ありがとう。ハル。」

「うん。全然。たまたま話す機会があっただけだよ。」

後ろめたい気持ちが、胸の奥できしんでいた。

「だから、とりあえず、今度の日曜空けといてくれる?」

「ばっちり空けとくよー。わー、何着ていこう?」

アキは、女性の服装になんて全く興味ないんだから。

って思ったけど、口をつぐんでおいた。

親友の恋の成就を一番に祈らなきゃいけない立場なのに。

優花にわからないように小さくため息をつく。

「もちろん、ハルも同席してくれるんだよね。いきなり二人きりじゃ、私も何話していいかわかんないし。」

「え?いや、でも二人の方がいいでしょ?最初の引き合わせの時だけいるよ。」

「そうなんだ。あー、緊張するなぁ。」