ソファーの横、イコール悠聖の横には窓があって、外の冷気ですっかり冷えきった窓からひんやりとした空気がかすかに送られてきている。
テレビの横に置いてあるストーブはついているものの、その暖気はあたしたちのところまでは届かない。
もしかして、ずっとこんなに寒かったんだろうか。毛布にくるまっていたから気づかなかった。
「もしかしてずっと寒かった?」
「ちょっと」
「言ってくれたらよかったのに。気づかなくてごめんね」
「いや、謝んなくていいよ。寒いのわりと平気だし」
本当だろうか。
あたしが毛布を占領していたから、ずっと我慢してくれていたんだろうか。
「……実はすげえ寒い。ちょっとくっついていい?」
一緒に毛布にくるまったから、ふいにこっちを向いた悠聖の顔は至近距離にあった。
――近い。
「あ、うん」
とっさに顔をそらすと、なぜか少し笑った悠聖は寄ってきた。あたしの右腕に、悠聖の左腕が、ぴったりとくっついた。
みんなはずっと映画に集中していて、よっぽど面白かったのか、エンドロールが流れるまで誰ひとり声を上げなかった。
その間ずっと、あたしの右半身はやけに熱くて、変にドキドキした。