その6
夏美


”それは、人種間の問題ですかー?”


『はい、ピンポンです!もっとわかりやすく言えば、肌の色ですね。私は黒んぼが嫌いだ。俺は白人が信用できない…。これでは、同じ社会での共存はできないから、お互い腹の中ではそう思うことは消せないにしても、最低限、社会生活を営むに必要な差別・好き嫌い・偏見を表に出すことは控えようと…。この程度はすべてのアメリカ国民が実行していますよ。ところが、この日本は原則単一民族だから、右見ても左見ても同じ日本人ばかりだ。しかし、人間の性はそれならもっと細かい”違い”でと…、自分との差別化をするんですね』


ここではっきり読めた!


紅丸さんはこの流れで、私たちの眼前の問題を突き付けるんだ


...



『…今、みなさんの日常で、現実にそれに当てはまるのが、私の見立てだと、だ埼玉と東京もんと互いが区別する意識です。私からしたらそんなもんに捕らわれてたら、自由に生き、やりたいことを自ら放棄してるようなもんだと思えてなりませんよ。…どうでしょうか、皆さん!そんな小さなこだわり、ここで一度取り払ってみませんか!』


”賛成ー!”


”是非、紅丸さんがその先頭に立ってください!”


『はい!では、せん越ながら、私は最初の一石を投じさせてもらいます。…米国で肌の色が白だ黒だのと言うこだわりを、最低限ながらでも抑えるために、彼らには何が必要だったのか…、それは相互理解を試みてみるということです。私たちの場合も同様です。互いにいがみ合ってる東京モンとだ埼玉県民のカベを乗り切る第一歩…、それ…、まずは互いを理解し合おうという意思、そして行動になります!そこで今回…』


私は既に鳥肌を立てて、紅丸さんの演説を夢中になって聞いたいたわ

そうなんだ!

だから、ここでなのか…