7月5日
ゆうべトイレに行ったとき
台所で父さんと母さんが
けんかをしていた
何か事件があったらしい
ぼくが、そうっとのぞくと
「いったい何百万なの?」
母さんが顔をまっ赤にして
おこっていた
父さんはテーブルに顔をつけて
両手で頭をかかえていた
ぼくは何どもつばをのみこんだ
ふたりに気づかれないように
部屋にもどった
ふとんに入っても
母さんのおこってる声が
ずっと聞こえてきた
あんなにおこった母さんを
ぼくは、はじめて見た
ふとんの中でガタガタふるえた
さちはぐっすりと寝ていた
ぼくも、いつのまにか寝ていた
7月6日
きょうの朝、母さんは無口だった
泣き顔で目もはれていた
だけどぼくは何にも聞かなかった
どうしていいかわからなかった
たいへんなことがおきたんだ
それだけはわかったけど
どうしようもなかった
帰ってきたら何か
母さんのよろこぶことをして
母さんを元気づけなきゃ
だけど、ばんごはん時も
みんなだまったままだった
ぼくはやっぱり何もできなかった
ゆうべトイレに行ったとき
台所で父さんと母さんが
けんかをしていた
何か事件があったらしい
ぼくが、そうっとのぞくと
「いったい何百万なの?」
母さんが顔をまっ赤にして
おこっていた
父さんはテーブルに顔をつけて
両手で頭をかかえていた
ぼくは何どもつばをのみこんだ
ふたりに気づかれないように
部屋にもどった
ふとんに入っても
母さんのおこってる声が
ずっと聞こえてきた
あんなにおこった母さんを
ぼくは、はじめて見た
ふとんの中でガタガタふるえた
さちはぐっすりと寝ていた
ぼくも、いつのまにか寝ていた
7月6日
きょうの朝、母さんは無口だった
泣き顔で目もはれていた
だけどぼくは何にも聞かなかった
どうしていいかわからなかった
たいへんなことがおきたんだ
それだけはわかったけど
どうしようもなかった
帰ってきたら何か
母さんのよろこぶことをして
母さんを元気づけなきゃ
だけど、ばんごはん時も
みんなだまったままだった
ぼくはやっぱり何もできなかった