「美月ちゃんー!会いたかったー!!」
そのハスキーな声と共に。
「ま、真白ちゃん……っ!?」
私の背後から抱き着く女性が、私の知り合いだと悟ったらしい小太郎くん。
「真白って……」と独り言を呟いた後。
身を屈めて姿勢を低くしたポーズを“ 崩さず”に、真白ちゃんに目を向ける。
「あんたが真白ってーの?」
「えー誰?このちびっちゃいの」
「ち、ちび!?」
こ、これは一触即発の雰囲気っていうやつだ!たぶん……っ!
真白ちゃんの腕を解いて、急いで二人の間へ入った。
「真白ちゃん、あのね!」
「それより美月!!」
だけど真白ちゃんは、私の頬を両手で包む。そして緊迫した表情をした。
「昨日心配したんだよ!!美月、怪我ない?あの後きちんと家に帰れた!?」
「(あ、そうか……)」
色々めまぐるしくて、忘れちゃいそうだったけど……。
昨日、真白ちゃんと帰っている時に――私は新島に攫われたんだった。
それで……