海くんの風邪も無事に治り、
「看病してくれたお礼に俺の秘密の場所に連れてってあげる」
と言われて今日はそこに行く日。
なのに、
「海くーん?」
海くんがいません!

寝室を開けてみると、1枚の紙が落ちていて、

『これに着替えてください』
と書いてあった。
近くには真っ白のドレスがあって、私にはとても似合わなさそうだった。
けどこの字は絶対海くんのだから、海くんのために着ることにした。

ドレスに着替えて、寝室を出る。
次は洗面所。
また一枚の紙が落ちていて、
『三つ編みを解いてください』
と書いてあった。
2人だけの時は三つ編み解いててもいいけど、他の人に見られたくないから三つ編みしててねと言われていたから、今日も三つ編みをしていた。

とりあえず三つ編みを解く。すると棚の上に髪が置いてあった。
『これをつけてください』
コンタクトとネックレスがそこに置いてあってそれをつける。
鏡に映る私は、全くの別人に見えた。

「これが、私?」
って、見とれてる場合じゃない。
リビングに行くとさっき通った時にはなかった紙が置かれていた。
『内緒の通り道を通って中庭に来てください』
内緒の通り道は私がありのままの自分になった時に海くんがここ通ったら部屋が近いんだよ!と笑顔で教えてくれたところだ。

お花も沢山あってとても綺麗だった。
その時私はバージンロード歩いてるみたいって思っていた。
海くんにそう言ったらふんわりと優しく笑ってくれたっけ。