そして、店内には入らずにドライブスルーで
ハンバーガーを購入すると私の自宅近くの
公園の駐車場に車を止めた。
そして、車内で二人きりの食事を楽しんでいた。

「久しぶりに食べるハンバーガーは
うまいな。」

竜海さんは大きな口を開けてハンバーガーにかぶりつくと
そう言って顔を綻ばせた。

「すみません。こんな安上がりなもので」

奢ると言ったものの、もう少し高いものにすれば良かったかなと少し後悔していた。

「ハハッ。そんなことないよ。
この間、親父と取引先の社長と食べたカウンター寿司より断然うまいよ。
やっぱり一緒に食べる人によって味も変わってくるのかな?」

「お義父さんに失礼ですよ?」

私は竜海さんの冗談に笑いながらも
「あの、お義父さんもお義母さんも元気ですか?」
急に二人を思い出して問い掛けた。

挨拶もなしに別れてしまったことが
ずっと気掛かりでしょうがなかった。


「ああ、元気だよ。
二人とも桜良に会いたがってる…」


そう言って切ない表情を向ける竜海に
私は返す言葉が見つからなかった。