ああ、こんなにも苦しいのに
竜海さんの腕の中にいると
このままずっと止まらなければいいのにと
ずるいことを考えてしまう...

いまでも竜海さんが好き...

このままずっと離さないでって
言えたらいいのに...

私は竜海さんに抱きしめられながら
ゆっくりと目を閉じた。

「良かった...治まってきたようだな」

竜海さんは私を抱きしめたまま、
安堵の息を吐いた。

「桜良..?」

そして急に静かになった私の顔を
竜海さんは覗き込もうとする。

しかし私は竜海さんから離れたくなくて
ギュッと抱き着く手に力を込めた。

「あの、もう少し落ち着くまで
このままでもいいですか..?」

私は勇気を振り絞って竜海さんに問い掛けた。