Side桜良
「あっ、桜良!こっちこっち!」
馴染みのバーに入ると
翠がカウンターで手を振って自分の場所を知らせている。
ここは雑居ビルの地下にある「ブルーローズ」という行きつけのバーだ。
竜海さんと出会う前はたまに、翠と飲みに来ていたが結婚後は
めっきり数も減り、久々の来店だった。
私はニコリと笑顔を向けると
翠の元へと足を進めた。
「ごめん、翠。
なかなか仕事が終わらなくて」
約束の時間より30分も遅れて
到着した私は謝りながら
翠の隣の席に腰を下ろした。
「仕事ならしょうがないわよ。
それより新しい職場はどう?」
翠はカウンターから身を乗り出して
問い掛けた。
「うん。仕事を覚え直すのは大変だけど
職場の皆は優しいから、なんとかやっていけそう。」
「そっか。それなら安心したよ」
翠はホッとしたようにウイスキーの入ったグラスに口をつける。
翠は可愛らしい容姿に似つかわしくないくらい酒豪だ。
翠は私が小学校のときの友人だ。
中学のときに転校してからも
ずっと翠だけは連絡を取っていた。
そして中学のときに私がいじめられていた事も不登校になったことも翠はすべて知っている。
そして翠と一緒の大学進学を決めてからも
また容姿のことでいじめられないか
不安で怯えていた私に自信がつくように
ダイエットをすすめてくれたのも翠だった。
翠はそれだけではなく当時、80キロはあった体重を落とすべく一緒にジムにも通ってくれたのだ。
体重を50キロ台まで落として
整形手術をした私は
飛びきり美人になったわけもなく
可もなく不可もない容姿だけど
でもその努力が自信に繋がったのだと
今は思う。
離婚はしちゃったけど、
今この普通の生活が送れているのは
翠のおかげだと思う。
そして、もう一人、私に自信を与えてくれるきっかけとなった人がいる。
「あっ、桜良!こっちこっち!」
馴染みのバーに入ると
翠がカウンターで手を振って自分の場所を知らせている。
ここは雑居ビルの地下にある「ブルーローズ」という行きつけのバーだ。
竜海さんと出会う前はたまに、翠と飲みに来ていたが結婚後は
めっきり数も減り、久々の来店だった。
私はニコリと笑顔を向けると
翠の元へと足を進めた。
「ごめん、翠。
なかなか仕事が終わらなくて」
約束の時間より30分も遅れて
到着した私は謝りながら
翠の隣の席に腰を下ろした。
「仕事ならしょうがないわよ。
それより新しい職場はどう?」
翠はカウンターから身を乗り出して
問い掛けた。
「うん。仕事を覚え直すのは大変だけど
職場の皆は優しいから、なんとかやっていけそう。」
「そっか。それなら安心したよ」
翠はホッとしたようにウイスキーの入ったグラスに口をつける。
翠は可愛らしい容姿に似つかわしくないくらい酒豪だ。
翠は私が小学校のときの友人だ。
中学のときに転校してからも
ずっと翠だけは連絡を取っていた。
そして中学のときに私がいじめられていた事も不登校になったことも翠はすべて知っている。
そして翠と一緒の大学進学を決めてからも
また容姿のことでいじめられないか
不安で怯えていた私に自信がつくように
ダイエットをすすめてくれたのも翠だった。
翠はそれだけではなく当時、80キロはあった体重を落とすべく一緒にジムにも通ってくれたのだ。
体重を50キロ台まで落として
整形手術をした私は
飛びきり美人になったわけもなく
可もなく不可もない容姿だけど
でもその努力が自信に繋がったのだと
今は思う。
離婚はしちゃったけど、
今この普通の生活が送れているのは
翠のおかげだと思う。
そして、もう一人、私に自信を与えてくれるきっかけとなった人がいる。