「はぁっ…はぁ…、、」
それから私達は
無我夢中で来た道を引き返した。
どれだけ、走っただろうか。
やがて、不気味な声は聞こえなくなり、
いつの間にか、
走っていた足は歩いていた。
とぼとぼと。
ただ、途方に暮れるように。
寺へ向かっていた途中。
スマホの表示が何故か4日になっていたけれど
寺を出て、改めて確認すると、
何故か……
6日になっていた。
元々、6日のはずだったから、
それはそれでいいのだけれど…。
やっぱりなんかおかしかった。
空にも……
夕日がぽっかりと浮かんでいて、
”紫”なんて
1ミリも感じさせない
いつも通りの夕暮れ時だった。
「……」
オレンジ色に染まり、漂う霧の中。
誰も何も喋らず、
枯れ葉をパキパキと踏みつける音だけが
やけに大きく、鼓膜に入る。