けれど、まだ……

私達を一定のスピードで追いかけてくる…
化け物は後ろにいた。

「ねぇ……っ、はぁ…っ、はぁ……っ、
私達これ……っ、
いつまで逃げればいいの……っ」

どれだけ私達が曲がり角を駆使しても、
化け物は一向に追い掛けるのを
やめてはくれず、
走りながら途方に暮れていた。

「……僕…、ゲホッ……、ゲホッ……ッ
もう無理……ゲホッ……」

やがて優斗の足の動きが
だんだん遅くなっていった。

優斗は、昔から体が弱いから
体力的にもこれ以上走り続けるのは
厳しそうだった。