アイツのことなんて忘れよ。関係ない関係ない。
「琴音…」
咲がそう呟いた。
「何?どうした?」
咲、なんだろう。緊張が走る。

「なんか、恋してる女の子の瞳じゃない」
「え……?」
咲からの突然の言葉に呆然とするばかりだった。
「本当に先輩のこと好きなの?」
咲に聞きつめられ、挙動不審な動きをしてしまう。
「恋してるよ、もちろん」
少し口角を上げて言う。
「……そっか。」
泣き笑いみたいに微笑んだ咲は、いつもと違った。