「すご……」
上から咲の声がして、私はゆっくり頷いた。
「うん…これだから好きなんだよ」
感嘆しながらも、「好き」という言葉を発するのは、何だかくすぐったい感じがした。
荻原先輩、やっぱりかっこいい…運動神経も良くて、性格も良くて、顔も整ってて…学年一モテる理由を改めて知った。
これが、私の好きな人____
好き、好き……

____大丈夫か?足。
なんで、 なんでアイツが出てくるの。

____良かったぁー…
数十メートル先には荻原先輩がいるのに、考えるのはアイツばっかり。私、なんか変だ。