強がってしまった。
「はぁ?何言ってんだよ。立ててねぇーじゃねぇかよ」
「ん、」
野沢が手を差し伸べてくる。

あまりコイツに助けられるのはいい気がしないけど。

今の状況は仕方ない。
素直に野沢の手を握った。

「っ…、痛っ…」

足首の痛みは思ったよりも酷くて、床に付けるだけでも痛い。

「おい、大丈夫か?」
私の手を握ったまま、私の顔を覗き込む。

「……大丈夫。」
ホントは、大丈夫じゃない。