目が覚めると、白い天井が見えた。
ぼやけていた視界が少しずつ鮮明になって、ここは保健室だと認識できた。
視線右へやると、咲が心配そうな顔で私を見つめていた。
「琴音!!目ぇ覚めた!?」
そう言いながら、咲が私の右手をがっちりと握る。
「咲…」
「大丈夫なの?」
咲は今にも泣きそうな顔だった。
「大、丈夫。なんか疲れてたんだと思う。」
不器用な笑顔を見せると、咲が「心配したんだから!」と言いたげな顔で私に抱きついてきた。
咲の細い腕に、添えるように手を握った。