翌朝、怜央の家から学校へと向かうと正門前で新那が待ち構えていた。

「昨日、志貴から連絡があって。蓮見くんの家に泊まったんでしょう?何かあったの?」

普段、私と怜央が一緒にいるときは遠目からその姿を見ている新那。

それなのに、今日は隣に怜央がいてもお構いなしだ。

……それほど、心配をかけてしまったのだろう。

屋上に移動した私達は昨日起きたことを全て打ち明けた。

「……瑠佳ちゃんのこと、ちゃんと護って下さい」

話を聞き終えた新那はまるで生まれたての子鹿のようにプルプルと震えながら、怜央に訴えた。


「約束する」

「た、頼みましたからねっ!」

いつもなら本当に?と聞き返す彼女だが、さすがに怜央の言葉は一度で飲み込むしかなかったようだ。


それにしても、2人して心配性だな。


この日は怜央も新那も一日中私にべったりで、昼食も3人で取った。


「あ、そうだ新那。志貴の誕生日パーティーなんだけど、今年は土曜日だから当日集まる感じでいいかな?」

購買で買ったパンを食べながら新那に問う。