残業……。

思ったより文字の打ち込みに集中していたらしく、終わって顔を上げたら誰も居なかった。

(私はこの出版社で編集部に所属している。)

終電ギリギリのため急いで帰り支度をする。



ふと、誰かの視線を感じた。

さっき周りを見たときは誰も居なかったのに。

一人じゃないことに安堵の溜息をこぼす。

「誰か居るんですか?」

そう声をかけ振り返るが、誰も居なかった。

気のせいかな?