旅人は、来た。




血だらけの人たち。





血だらけの空。






血だらけの花がある町に。






町の少年は、血をこぼしていた。






旅人は、包帯をあげた。





でも、少年はこう言った。





「いらない」







「死んじゃうよ?」







「生まれた時から、こんなだった。今もこれからも、このままだ。これが、ボクの毎日なんだ」





町では、倒れている人もいる。





踏みつけられている人もいる。





「お墓を作ろう」




旅人は、亡くなった人を運んだ。




そうしたら、





「枯れ葉にお墓はありますか?」






おばあさんに旅人は止められた。