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「───柚っ!」
勢いよく扉が開く。
つられて、4つの頭が私を振り向いた。
「来て早々“柚!”はないだろ、お前」
彼等とは少し距離のあるソファで、柚が寝ていた。
穏やかな寝息を立て目を瞑るその姿に、私はほっと胸を撫で下ろす。
良かった。
手当もしてくれてる。
無茶な依頼をした自覚があるだけに、安心する部分は大きかった。
「ごめん、遅くなって」
私は、ようやく落ち着いて彼等と視線を合わせることが出来た。
「皆久しぶり」
「…だぁかぁらぁ、」
「何、雄大くん近いよ」
「来て早々、俺らへの挨拶より前に別の男の名前呼ぶとはなあ…」
「なに、」
「俺らとは随分久しぶりなんじゃないですか、セリナちゃん、え?」
変わったなあ。
俺は悲しいよ。
おどけた口調でそう言った雄大くんに、こくこくとミオが頷いた。
「馬鹿言うな。二人とも一週間以内に会ってんでしょ」
自然に頬が緩む感じがした。
やっぱり。不可抗力。
かと思えば
「セリナ」
「なに」
「一週間て長えぞ」
くそ真面目な顔をしてそんなことを言い出すミオに、頭が唸る。
そんな中、体の一点に突き刺さる視線。
それはきっと、“彼”のもの。