🥕🦝49




「はぁぁぁぁ」
リアは深い溜息を吐いた。


ハリーとグレースは上手く行った。
案外自分もお節介妬きだと思った
あれほどグレースグレース言う
ハリーは絶対グレースに気がある
と言う意図は見え見え!

人の事はどうでもいい
俺は俺は・・・
ふと足を止めフローレンスのいた
空き部屋を見つめた。

「もうココには帰らないのか!」

ボソッとリアが呟く!
フローレンスを手に入れた安心感が気を緩ませた。

「ふっ、自業自得か!」

あーぁやっちまったなー
両手を高く伸ばし指を組んで右左に腰を曲げる!


その日からリアは部屋にこもった
何をやるにもやる気ナシ!

国事行為などはひと任せ
ゴロゴロゴロゴロやる気ナシ
公務はしないし、なにもかも
人任せにするラクチンさ
ある意味幸せ

ハリーはそんなリアに責任を感じてリアの仕事を黙って受けていた。自分に課せられた償い。

しかし人の口には戸を建てられないものでものぐさになったリアの
評判は瞬く間に広がった。


「もうフローレンスは帰って
来ないし、生きていても何にも
良い事は無い‼️」


そんなリアはゴロゴロゴロゴロ
相変わらず自室から出ようとも
しない。

しかし腹は減る
ぷくぷくぷくぷく‎ᐢ⓿ᴥ⓿ᐢ
消費しない体脂肪はタヌキのように腹から太り始め次は顔を狙い
まん丸く成型して行く!

動かないから見た目‪
イケメンな‪(๑•🐽•๑)‬

タヌキから豚に変異、起き上がるのも超大変!

カールも居ない、ハリーも仕事
話相手も居ない
やる気ナシ、動く気ナシ
自分はクズだと思えばストレス

また食欲に走る。
リアはクッキーをご注文
それに合うビールもドカンと樽で

ムシャムシャ ゴクゴクプファ

満腹になるとまたゴロン
しばらくすると昼ごはん
妙にテンション上がる

ステーキ三人前は当たり前、ビーフシチューにサンドイッチ🥙🍻
どんなに食べても腹が減る

そんな噂は4魔女の遠い
ザブラルブルグのカフェまでも
噂は流れた。

リアの体型や過食症の話は
リアが部屋を出ないから知られては居ない。


「知ってるか?
ホースラデDーレーン国の
リア殿下病気らしいぞ」


「ああ、聞いた聞いた
ヤバイらしいな!」

そんな話が毎度毎度、耳に入る。

4魔女はカフェの仕事が終わる
PM11:00に遅い夕食を囲んで
話し合った。


「あの話はホントかな?」

マヤが言う

「あんなに皆が言うんだから
ホントじゃない⁉️」
黒髪を耳にかけながらアリアが
マヤの顔をみながら頷く。


「間違いないらしい
部屋から出れない程悪化してる
って話だ。」



ザブラルブルグ護衛隊長のチャールズが言うのだから間違いない!
チャールズはアリアの旦那様だ
カフェの離れに、アリア夫婦
ピット、マヤ、タニア、ジュリア
は4階建ての家に住んでいる。
タニアは旦那の許可をもらい
里帰りしてここに居る

食事は原則カフェで、と決め
ている
何しろこの六人は三百年の付き合いだ家族以上の繋がりがある。


「一度関わったから
放ってはおけないねぇ」
マヤさんは焼きたてのピザを食べ
ピチュプチュと摘んだ指のピザのソースを舐める。


「原因はなんでしょう
見るからにお元気の御様子
でしたのに?」
イギリス紳士なピットが🐸の唐揚げをほうばりながら呟く!

「ねえピット
鶏の唐揚げがあるじゃない
コッチ食べなよ!」

5人は眉を潜めながらピットを見る

ガラシアン産の食用カエルは
味が格別、ヘビ時代のピットは
慣れ親しんだ味を忘れられない。
特に果樹園の🐸は大好き
フルーティーな味が後を引く。

5人は最初こそギョッとしたが
慣れとは恐ろしい物で
好物なのだから仕方がないと
諦めてしまった。

美味しそうに食べるピットは
幸せな顔をしている。
ヤレヤレ

「食事が終わったら
池に集合
水鏡に写して殿下の様子を見よう。」

プックラ丸いタニアが提案する。
5人は賛成しながら食事を進めた。

カシャンカシャンと洗い場から
音がし始める。
1人1人自分の使い終わった食器
を指さすと食器は浮き上がり
洗い場へと進む。

食洗機が満タンになればガオンと
音を立てて閉まる
プシューシュシューと
蒸気を吹き上げる様な音を立てて
食洗機が止まると、食器は食器棚
へと収まって行く。




👉👉💫✨
魔法🧞‍♂️はメッチャ便利



まん丸い月が池を照らす、真夜中
なのに昼間のような明るさだ。
もうラクサの花も散り青々とした
枝が心地よい風を受けて揺れていた。もう名月のビックムーンの時期だと日に日にでかくなる月を見て4魔女は思う、


ピュツピュッと手刀を切り
2本指を立て口の
前でフウウゥゥゥと息をかけ
大きな星を「エイッエイッ」
と描く


すると波が立ち上がりスクリーン
が現れた。
「✠✟⚘✜✛☋☊⚮♰♱⚲✧
❥✰✘❉✼❂⇢➷➴↱↶↷」

4人が一緒に呼びかけるとリアが
スクリーンの中に現れた?

「あれ?まちがった?
オデブちゃんが・出てきたゾ!・・
何処の野郎だ?」


もう1回長い呪文を四人は
読み上げる!



「✠✟⚘✜✛☋☊⚮♰♱⚲✧
❥✰✘❉✼❂⇢➷➴↱↶↷」


すると寝転びポテチをバリバリ
と口に運ぶ、オデブがいた。

四人は呆気に取られ顔を見合わせ
言葉が出ない!


もう一回
ヤバイもう一回

👉👉・⊃━☆゚.مساء الخيرمساء الخير・・・・まさか?


のまさか?・・・
何度やり直してもケツをポリポリ
と掻きながらゴロゴロゴロゴロ
するムサイ男!

ブバーッ
エエッ 'ㅇ.ㅇ!たまにケツが破れる
くらいの屁を飛ばしクンクンと匂い

「ウッくっせーぇぇ」
と叫んでいる

上等なクイーンベッドにアッチ
行ったりコッチ来たり!
ゴロゴロ


「あんなんじゃ
悪玉コレストロールが溜まって
屁もくさくなるサ!」


匂いが飛んで来ないだけマシ!
マヤが呆れ果てて呟く。


( -᷄ω-᷅ )( •᷄ὤ•᷅)( ꒪⌓꒪)(ꐦ°᷄д°᷅)
はぁ?💢なんてこった!
4魔女は呆れるやら怒るやら!


「なんてザマだい!
一国の後継ぎの癖に!」

マヤは情けなくなって来た!


我慢ギリギリなマヤはリアの魂に呼びかけ呪文を繰り返す

「 ˙◊˙เหจวเขขจาลมชา่จบอเจ
❉☋☊⚮✧✠⚘☫☍☌☄️」


「なんでそんなお姿に?」

リアからモアッと煙が上がり
身体から抜け出たリアは元通り
長身のイケメン
そのリアが言うには・・・

「ヤケになって何もかも
捨てたらこうなった!」


「あれは自業自得では?
何を後悔される事が?」
マヤはついキツい口調になる。

アレとはフローレンスが離れて
しまった経緯だ💧


リアは呟く!

「こうなるとは
思ってなくて・・」

・・・

「フローレンスを追いかける時
無我夢中で、しかし手に入れたら
なんであんなに夢中だったか
分からなくなって」


「つまり🐱が🐭を追いかけて
仕留めたら動かない🐭に
🐱は興味無くなったって事?」


「まあ、近い!」

「また、急に逃げ出した🐭を
追いかけたが違う🐱が
🐭を可愛がってた・・・」


「その通り!」
パッと目を開きリアは4魔女をみる。


「だから意気消沈した・・と?」

ウンウンとリアの魂は頷いた。

そう言うとリアは寂しそうな顔を
してまたボッテン
ゴロゴロとした丸い体に帰って
行った。

水鏡は次第に小さくなり、また静かな湖に戻っていた。


高く丸い月が水面を照らし虫の声がリンリーンリンコロコロと高らかに聞こえている。



4魔女は病気と言う病気じゃない事にホッと胸を撫で下ろしたが
どうしたものかと頭をなやませる。



「またアレを使うかい!」
マヤが1人1人の魔女の顔を見ながら
尋ねた。


もうマヤの分とタニアの分の
五百年に一回しか使えない
タイムトラベラーは使って
アリアとジュリアの2回しか無い
これから後の大事が起きた時
使えなくなる。

三百年かけてやっとマスターした術
そう簡単には使えない。


四人は湖の草むらに腰掛け
相談し始めた。

スズムシのリリーんリリーりーん
と言う鳴き声が響いてきた。

「先ず、フローレンスのキモチ
を見てみようか。」

月明かりに魔女🧙ってもってコイな怪しい
シチュエーション

怪しく四人は魔法の🧹に乗って
ひとっ飛び、びびゅーん

飛びたって行った。

「なんか絵本のまんまで
笑えますねぇ」


「元気過ぎるのがあの人達の
いいとこだヨ」

ピットとチャールズは元気すぎる
魔女達をカフェの窓から見送った。